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2007.04.17

DIMEへのコメント:駅ナカ自販機

本日発売の小学館の「DIME 9号」。
19ページの「仕事に遊びに・使える自販機は”駅ナカ”にあり!」という」ページに金森の「一言コメント」が掲載されています。

が・・・本当に「一言」なんですね。これが。(T_T)

「鉄道会社は早朝・深夜の駅構内の利便性を高めたり、空きスペースを有効に活用したいから自販機は格好のネタ。今後の課題はより魅力的な品揃えです」(青山学院大学非常勤講師・金森努氏)と話す。

実は、駅ナカビジネスに関してはこのBlogで何度か書いていて、それを記者の方が見つけて声をかけてくれたのですが、該当ページが1ページ構成だと知らずに金森は張り切って回答メモをガッツリ書いて送ってしまいました。
(過去もメディアからの取材には、必ず以下のようにできるだけ丁寧に回答しています。メディアの方!ご用の際にはよろしくお願いします!)

・・・というわけで、せっかくまとめたメモなので、このBlogで公開します。
メモですが、ついクセで、コラム調になっていますので、読み物としても成立するかな、と。

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なんだかここ数年、「駅ナカビジネス」のおかげで「駅」というか、「駅舎」が生まれ変わったようだ。今にして思えば、なんとも以前の駅舎は面白くも何ともなかった。「列車に乗るために必然的に利用するだけのもの」という存在。鉄道会社も必要最低限の清掃や保守しか行っていなかったのではないだろうか。煤けた無機質な存在でしかなかった。

それが、一変したのは駅舎に様々なショップが進出してきた頃からだ。品川駅は頻繁に利用するが、「エキュート」はすばらしい。ともすれば、移動の合間に「ホームで立ちそば」という寂しい昼食を摂っていた生活が一変した。また、さすがに2,500円ものランチコースを一人で食べはしないが、移動途中で名だたる店のランチが食せるという大義名分があれば、人を誘うことも容易だ。まさに「Viva!駅ナカ」だ。

だが、この「駅ナカ隆盛」も慣れない駅に行くとマイナスに作用する。品川駅ぐらいに広く、さらに乗降客の動線やサイン計画が綿密になされていればいいが、乗り換え客の多さに目を付けてか、そうした駅の狭い構内に店舗を詰め込む例も散見される。これはイタダケナイ。「駅舎」とは、「列車の利用者がいかにスムーズに乗降、または乗り換えができること」が重要。その意味からすれば、「駅ナカ」の施設は明らかに「附帯施設」であり、「駅舎の本来的な機能(スムーズな乗降・乗り換え)」を妨げるものではあってはならないはずだ。
「駅ナカ」には積極的な利用層がいる一方で、否定的な層も確実に存在するだろう。その「不満層」の発生をいかに防ぎつつ、さらにステキな「駅ナカ」を展開するかは、「駅舎本来の機能」をきちんと確保することにかかっているように思う。

さらに、「駅ナカ」は新たな展開を迎えている。「自動販売機ビジネス」がそれのようだ。名刺作成機、傘販売機、自動DVDレンタル機、ガチャガチャ・・・。
なるほど、自動販売機ビジネスに関わった人であれば、その設置に際しての地権者や関係者との調整の苦労はよく知るところであろうが、自社敷地内の駅舎であれば、そうした苦労とは無縁な世界だ。
鉄道会社としは、早朝・深夜の駅構内の利便性を高めたり、空きスペースを有効に活用したいから自販機は格好のネタとなるだろう。

ただし、苦労がないだけ、採算性や、利用者ニーズにどれだけマッチしているのか疑問がある。「自動DVDレンタル機」はレンタルチェーンを上回る品揃えができれば、利用者の“Time saving”というニーズにマッチするだろう。
まぁ、傘販売機も駅舎内に売店がないのなら、良いサービスと言えるだろう。しかし、一般のビジネスの常識で考えれば、利用機会・頻度を考えればわざわざ設置するべきか疑問だ。あくまで「利用者サービス」と考えるべきか。
そして「ガチャガチャ」。これは、初期段階での「こんなところにガチャガチャが!」というサプライズによって利用はされるかもしれないが、継続的な利用はどうだろうか。秋葉原などで局地的にマニアックなプライズを提供すれば継続利用は見込まれるかもしれないが・・・。
しかし、一番気になるのはJRの新聞自動販売機だ。駅売りの新聞は、売店のオバチャンに「これもらうよ!」とピッタリの硬貨を投げつけるようにして支払い、オバチャンも「はい、行ってらっしゃい!」と応える「阿吽の呼吸」が基本ではないだろうか。それが自動販売機では何とも味気ない。売店をどんどんコンビニ化し、POSレジを導入、カードへのチャージができる拠点とする鉄道会社の戦略はわかる。しかし、それはどうにも利用者ニーズとの乖離を感じてならない。
「便利でオシャレな駅」はステキだ。しかし、あまりに利用者の日常とかけ離れてしまうと、かえって「売店のオバチャンとホームの立ち食いソバ」が懐かしくなってくる。

より魅力的な品揃えに留意するといった課題も含め、うまくバランスを取って、驚きと便利さ、満足感を「駅ナカ」で利用者に提供して欲しい。

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Tracked on 2007.04.19 06:01 PM

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