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2006.10.23

ソニーPS3発売前値下げをM.ポーター的に考えてみる

連載をしている「月刊販促会議」の12月号が11月1日に発売されます。
その会の連載のテーマは「ソニーPS3発売前値下げを4Pのプライシングの難しさ」という観点で書きました。
しかし、教鞭を執っているビジネススクールでちょうど「5F分析」についてやったところなので、
4Pではなく、5Fの観点で仕立て直しして、以下に列挙します。

同じ事象でも複数の見方ができるということで、連載をお読みの方も、11月1日に雑誌でお読みいただく前に下記をご覧頂いておくと面白いのではないでしょうか。


・PS3が発売前に約2万円の値下げを発表した。この理由を「5Fモデル」で考えてみる。
・ハイスペック&ハイプライス=マニアしか買わない高価なゲーム機=普及しない(シェアが取れない)。

・一番問題なのは、そんなゲーム機向けにソフトを作ってくれるソフトハウスはいないということ。
・過去、セガのサターンがPSに敗れ去ったのは、スクエアなどのビッグタイトルを持ったソフトハウスをPSに押さえ込まれたから。

・もう一つの側面では、マニアしか買わない高価なゲーム機など、流通は扱いたくないと言うこと。
 どうせ売れない商品に展示スペースすら割きたくないのが本音。

・以下、M.ポーターの5Fで分析をしてみる。

 ■ 「売り手の交渉力」=ソフトの供給元:前述の通りシェアが取れないゲーム機に売れるソフトは供給されない→強い
 ■「買い手の競争力」=流通(量販店):前述の通り、売れないゲーム機に本腰の販売はしない→強い
 ■「業界内の競争」=Wii発売前からかなりの話題。X-BOXもかなり認知・普及とも上がっている。さらに価格面で見ると、Wii、廉価版X-BOXとどちらもPS3の当初の価格の半分ぐらい→強い
 ■「新規参入の脅威」=これはちょっと判らない??
 ■「代替品の脅威」=ハンディータイプのゲーム機:ニンテンドーDSなどでも十分ハマル。高価で複雑なものよりも消費者はお手軽なもので十分。→強い

 結論として何とも辛い業界構造。

※そもそも、「5F分析」の胆は「業界定義」。ソニーは「業界定義」を「ゲーム機市場」ではなく、PS3を「情報家電の中核」と位置づけて、パソコンのだいたいのような存在として捉えていた?
 そのため、パソコンまでは高くなくても、ゲーム機としては異常に高い価格設定になっていた?
・きちんと「ゲーム機市場で戦う」という業界定義の認識があれば、ハイスペック・ハイコストという選択にはならなかったはず。

・かくして、ソニーは「低価格でシェアを取る」という「ペネトレーション・プライシング」に価格戦略を切り替えた。
 但し、完全な「ペネトレーション」というほど、競合に価格優位性があるわけではないので、どれくらいシェアが取れるか少々疑問。今後に注目というところ。

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