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2006.07.10

新連載「定番のヒミツ」

日本実業出版社の季刊誌「ザッツ営業」の創刊第二号から連載を始めました。

ザッツ営業 http://www.njh.co.jp/that/that.html
同誌は「営業担当者の“心・技”を支える実践的な専門誌」と称し、営業実務の様々な話題を幅広く取り扱っています。
その誌面の巻頭コラムを担当することになりました。

1ページだけですが、巻頭でしかもカラーというのはなんだかうれしいものです。

第1回は金森の得意の持ちネタである「BMWのポジショニング」についてです。
色々なところで取り上げてきたネタですが、今までの中で一番すっきりとまとめられた気がします。

次号ではこのBlogでもご紹介した「伊東屋」さんを題材にしようかなと思っています。

以下、転載。

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世の中には常に売れ続ける「定番」と呼ばれるものがある。なぜ定番は売れ続くことができるのか。当連載はその謎をマーケティングのセオリーから考察する。

■第1回:「BMW・その ポジショニングの強さ」

 プレミアムカーの代表格といえばドイツ車の「BMW」の名前を挙げる人も多いだろう。
日経が行った「信頼できるブランド調査委」では、一般生活者が想起する「高級外国車」の代表的なブランドは「メルセデス・ベンツ」であった。しかし、昨年の日本における販売台数は、ついにメルセデス・ベンツを追い抜きBMWが第1位に輝いた。一般生活者のイメージが高くとも、実購買層の理解が高い方がメーカーにとって有り難いのはいうまでもない。
BMWの強さの秘密は何か?それは、以前、日経のコラムで語られていたBMW社パンケ社長の言葉に顕れていた。曰わく「BMWの強さは、そのポジショニングの明確さにある」と。BMWのポジショニングは「究極のドライビングマシン」と定義されている。そのポジショニングから、同社の広告コミュニケーションに常に使用している「駆けぬける歓び」という名コピーが生まれた。ポジショニングが明確ということは、物作りからコミュニケーション、販売の現場までが共通の認識の元、顧客に向かえるということを意味している。
 マーケティングのセオリーからすると、「STP」という考え方がある。市場を同質な固まりに分類するSegmentationを行い、市場の中から狙うべき層を捜すTargetingを経て、そのターゲットに対しどのような顔を見せるのか、立ち位置を取るのかというPositioningを検討する。しかし、BMWは、S→T→Pというような思考手順は取っていないはずだ。同社社長の言葉通り、「ポジショニングありき」なのだ。そのポジショニングに共感した顧客が集まってくる。顧客の期待を裏切らないよう、技術者は開発を行い、マーケターはコミュニケーション戦略を練り、セールスは接客に気を配る。「ポジショニングを元にした、全ての利害関係者の一体感」が同社の真の強さの秘密なのであろう。

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