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5 posts from June 2006

2006.06.24

現場教育の成果

先週まで、企業研修を集中的に行なっていた。全国各地の営業現場第一線の中堅社員を集め、グループワークとティーチングを組み合わせて展開する2日コースである。
営業現場で日常忙しく業務を行なう社員にはマーケティングなど縁遠い存在で、「本社が考えること」と思いがちだ。しかし、各々に「自分たちの置かれた環境」を再認識させるところからはいる。
具体的には、以下のような内容をグループワークで自ら手を動かして、俯瞰して考えてもらうのだ。
http://kmo.air-nifty.com/kanamori_marketing_office/2006/05/swot_2652.html

次に、日常の業務を振り返ってもらう。ともすれば、マニュアルがあるが故に型どおりの応対をし、「顧客視点」を忘れ、「自社の都合」でものごとを考えてしまう。そこを矯正するために基本理論に様々な事例を組み合わせティーチングを行い、自分たちでも考えてもらう。
http://kmo.air-nifty.com/kanamori_marketing_office/2005/08/5_cedb.html
http://kmo.air-nifty.com/kanamori_marketing_office/2006/05/1_2fcc.html
http://kmo.air-nifty.com/kanamori_marketing_office/2005/09/6_e41d.html

そして、仕上げは、会社から渡されたものではない、自分たちオリジナルの「ミッションステートメント」を作り上げてもらうグループワークを行なう。
http://kmo.air-nifty.com/kanamori_marketing_office/2006/02/10_b99c.html

今回は20人×5セット=100人を対象に行なったが、最初は「なぜ自分たちがこんなコトを」という顔をしている受講生の目が、次第に輝いてくるのを見ると講師冥利に尽きる。

いずれも過去、記事として発表している内容が骨子となっているが、ライブでそれを聞き、また、受講者自らがその場で考え、手を動かすため、ただ読むだけに比べれば教育効果は100倍も違うだろう。
金森としても感銘深い仕事であった。

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2006.06.16

伊東屋:またまた感動のサービス

Img_0882
http://kmo.air-nifty.com/kanamori_marketing_office/2006/04/post_fbf1.html
上記にて4月に「銀座伊東屋」の秀逸な顧客サービスを紹介したが、雨のそぼ降る昨夕、同店を訪れまたまた感動した。
写真の写りが悪いため、何をしているかわからないかもしれないが、店舗の入り口で男性社員が来店客一人一人にビニールの傘袋を手渡し、傘を入れる手助けまでしているのだ。
普通の店なら、ビニール袋を店の入り口に置いておくだけか、良くてもペダルを踏むと傘袋の口が広がり傘を入れやすくなる道具が併設されている程度だろう。それを社員が一人一人の来店客に対応しているのだ。

ただ、これが顧客サービスのためだけでないことも判る。実は金森は文房具屋の孫息子なので、文房具店にとって来店客の濡れ傘は大敵であることも知っている。何とかして来店客全員に傘袋を使わせたいという店の思惑を一般の顧客には判らせずに、丁寧に入り口で傘袋入れの対応を社員が行なう。
店にとっては傘の滴が店内に飛び散ることを防ぎつつ、来店客には丁寧な応対をアピールできる。

とかく、人間を使ったサービスは費用対効果に合わないと、代替としての機械やサービス自体のカットにゆきがちであるが、伊東屋は元々の顧客対応重視の志向から、迷うことなく社員に対応させることで解決しているのだろう。
またも脱帽であった。

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2006.06.07

「食のキーワードは"プロセス開示"」

日経BizPlusの連載が更新されました。

今回もタウン・ウオッチからの考察です。
タウン・ウオッチからコラムに展開するには、まず、注意深く街を観察して気になるコト、モノを発見し、
それについて以下に深く掘り下げて考えるか。また、水平的に同じような事象が他のシーンで
起きていないかを考えることだと思います。

では、今回の観察・考察の結果をご覧ください。

http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/kanamori.cfm

----------------<以下バックナンバー用転載>-----------------------


東京・銀座の新橋側の外れから有楽町方面に伸びた高速道路下の飲食店街である、銀座コリドー街。各種の名店・話題店が軒を連ねる激戦区で、店の入れ替わりも激しい。その街並みを眺めながら歩いていて、あることに気が付いた。

 最近オープンした店の多くは、外から「調理場の風景」が見えるような造りになっているのだ。店内の客席から調理場が見える「オープンキッチン・スタイル」の店は以前からあったが、店外からも見えるものはあまりなかったはずだ。

■“見せる”集客方法

 こうした造りの店が増えたのは、外食産業で、「プロセス開示」が集客に欠かせなくなってきたためだと想像できる。「こんなふうに料理人が一生懸命作っている」「おいしそう」と感性に訴えるのと同時に、「調理場の清潔さや食材の適切な取り扱い」もアピールしているのだ。

 昨今、BSE(牛海綿状脳症)、食品の不正表示、輸入農産物の農薬残留などの問題が相次ぎ、生活者の「食の安全性」に対する関心が高まっている。素性の明らかな食材を購入し、自分で調理する。それがもっとも安心できる食事だろう。

 食料品店では、有機栽培かどうかや原産地を明記しているのはもちろん、契約農家限定商品なども取り扱い、人気を呼んでいる。外食の際にも、高級店などは料理に使われている食材の産地などをきちんと説明するようになった。生活者が特に敏感になっている牛肉の場合、「但馬牛」のようなブランド名だけでなく「個体識別番号」まで示す店もある。これらが、来店客の食材への不安払拭(ふっしょく)に一役買っているのは間違いない。

 しかし、これまで飲食店では、店頭にメニューと調理サンプルが展示されているだけで、食材が加工される「中間プロセス」である調理に関しては「ブラックボックス」だった。混み合ったランチの時間帯など、調理場が見えるような隅の席に詰め込まれることがある。そして、興味本位にのぞいた調理場が、しゃれた客席に比べひどく雑然としていて不衛生に見え、思わず席を立ってしまった経験はないだろうか。

 そうした店舗と一線を画そうと、数年前から「オープンキッチン・スタイル」の店が増え始めた。そして、店外からもそのことが分かるよう、積極的にアピールするようになったようだ。

■マーケティング的に見た「プロセス」の意味

 以前から筆者は「マーケティングミックスの4P(Product・Price・Place・Promotion)に加え、2P(Process・Person)が重要である」と主張してきた。

 今回の例も正にその典型であろう。おいしい料理(Product)、適切な価格(Price)、よい立地(Place)、そして店構えそのものが、Promotionの要となっている。しかし、「店外から見える調理場」という店構え(Promotion)は、どのようなプロセスで、どのような人が調理しているのかを開示するというProcess、Personという要素(2P)があってこそ成立するものだ。かくして、「店外からも調理場が見える店」は、Promotionと Process、Personが融合し、来店客や見込み客の安心感獲得につながっているのである。

■重要性増す「プロセス開示」

 食の“見える化”は今後、さらに広がる気配だ。農産物の場合、産地や生産者名を公表するだけでなく、農業体験ツアーのように、生産現場を開放し、生産者との交流を図る試みが増えている。加工食品は成分やアレルゲンが表示されているが、表示外の微量アレルゲンが製造過程で混入した例も多い。ビール工場などの製造ライン見学コースなどはしばらく前から人気を集めているが、今後は観光客へのアピールのような理由ではなく、生活者の「安心欲求に応える」という意味で開示が必要になるだろう。

 もちろん、生産ラインのすべてを開示することはできないし、生活者が見たからといって、必ずしも何かを発見できるわけではない。しかし、生産者は見られるということで、今まで以上に設備を整えたり、働く人間が襟を正したりする効果が生まれよう。生活者も自分の目で見ることで、安心と同時に納得感が得られるだろう。そうして、これまで広がる一方だった供給側と生活者の距離が縮まり、品質も向上するという好循環が生まれるきっかけになるのではないだろうか。

 「食」以外でも、車に始まり各種工業製品でリコール問題が多発したことから、「製造過程のブラックボックス」に対し開示を求める声が高まっている。耐震強度偽装に揺れたマンション業界なども「構造説明会」と称し、建設中の物件を契約者や見込み客に見せるが動きが活発化している。裏返せば、それだけ生活者の不安や不信が高まっているということだ。人々の安全にかかわる分野を中心に、「プロセス開示」は必須になってくるだろう。

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2006.06.02

あまりに遠い道程

実は筆者は眼鏡好きである。最近はカジュアルなモノも多くなり、フレーム・レンズがセットになり、たった5250円で購入できる。そこで一つ衝動買い。

しかしその際、店で渡された「会員ポイントカードが問題だった。
気紛れに安物眼鏡を一つ作っただけで、「会員」などとして囲い込まれたつもりはない。
自宅に今後DMなどが届くことになるのだろうがごみ箱直行だ。
しかし、問題なのは「ポイント」の方なのだ。
税抜き1000円で1ポイント。50ポイントでまた眼鏡を一つタダで作れるという。

待て。ということは、眼鏡10個作れということか!
それはあまりに遠い道程。
いくら眼鏡好きでも、同じ店で10個は作らない。
人はあまりに遠い道程を示されると、初めの一歩を踏み出すことが、かえって難しくなる。
何でも「囲い込み」「会員化」「ポイント」と考えるのはあまりに安易ではないか?

どうせなら「お客さまの視力データと一緒に、お買い上げ履歴も保存しておきます。二度目のお客さまは、もれなく10パーセント割引させていただきます」。とかした方がずっとスマートで効果的なはずだ。

例えばポイントをある程度貯めたカードをなくしたら、なくしたのは自分のせいでも、何か悔しくて、その後一気にリピートする気は失せるだろう。
それよりも、「店が覚えていてくれて、黙っていても10パーセント割引になる」という方が、よほど「緩やかな囲い込み」になるだろう。

やはり、こういう安易な囲い込みが横行しているから、「アンチ囲い込みマーケター」が最近増えてきたのだろう。

ステロタイプなプロモーションばかり考えず、もっと「顧客視点」に立ち返れば、正解が見えてくるはずなのに。

モノをハッキリ見える道具を売る眼鏡屋、顧客の心みえず・・・。

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2006.06.01

古本による「ナレッジ・トランスファー」

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我が事務所に隣接する、新橋駅前のSL広場にて、恒例(らしい)「古本市」が開かれていた。
薄暮に街が包まれる頃、クライアントとのアポイントを気にしつつ、しばし散策。

目当ては、絶版になったビジネス書や学術書だ。例えばロジャースの「イノベーション普及学」。
何度も人に貸しては返却されず、買い替えているうちに絶版になってしまった。
とりあえず手元に一冊あるがスペアを探してみた。
が、残念なことに発見できず。代わりに別の書籍を数冊購入する。

そして発見したのは、購入した本はあまりきれいな状態ではなかったのだが、
前オーナーが記したとおぼしき、本文横に記されたラインやマーカーの跡が、
自分の読書を「微妙に」ガイドしてくれることだ。
「ここが大事な所だよ」とばかりに。

納得いく箇所は前オーナーに賛同し、より深く記憶に残す。
「何でここにマーカー引いているの?」と思う箇所では、前オーナーはもとより、
筆者に対してもアンチテーゼを考えてみる。

つまり、こうやってマーカーなどで汚された本には、見知らぬ人に「ナレッジ・トランスファー」したり、
対立概念を思考させたりする力がある。

金森は購入した本は汚さず、メモをとる癖がある。
人に本を貸すと「まだ読んでないのにいいんですか?」等と言われる。
熟読して、よかったから貸すと言ってるんだけどね。

教訓・本には自分がそこから「何を学び取ったのかがわかる、足跡を残そう」。
誰かへのナレッジ伝承のために。
(あまり激しく書き込むと、古本屋さんが買い取ってくれませんが、、、)。

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