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【マーケティング講座】

お勧めマーケティング関連書籍

  • 金森 努: 3訂版 図解よくわかるこれからのマーケティング(DOBOOKS)
    初めての人から実務者まで、「マーケティングを体系的に理解し、使えるようになること」を目的として刊行した本書は、2016年に「最新版」として第2版が発売されました。 それから6年が経過し、デジタル技術の進化やコロナ禍という大きな出来事もあり、世の中は既に「ニューノーマル」に突入しています。 その時代の変化に合わせて本文内容の改訂、新項目の追加や事例の差し替えなどを大幅に行ないました。
  • 金森 努: 9のフレームワークで理解するマーケティング超入門 (DO BOOKS)

    金森 努: 9のフレームワークで理解するマーケティング超入門 (DO BOOKS)
    「マーケティングって、なんとなく知っている」「マーケティングのフレームワークは、わかっているつもりだけど業務で使いこなせていない」・・・という方は意外と多いのが実情です。 「知っている」「わかっている」と、「使える」の間には、結構大きな溝があるのです。 その溝を、最低限の9つのフレームワークをしっかり理解し、「自分の業務で使いこなせる」ようになることを目指したのがこの書籍です。 前著、「最新版図解よくわかるこれからのマーケティング」は、「教科書」的にマーケティング全体を網羅しているのに対して、こちらの「9のフレームワーク・・・」は、「実務で使いこなすための「マニュアル」です。 もちろん、フレームワークをしっかり理解するための、実事例も豊富に掲載しています。 「よくわかる・・・」同様、多くの企業研修テキストとしてもご採用いただいています。

  • 金森 努: 最新版 図解よくわかるこれからのマーケティング (DOBOOKS)

    金森 努: 最新版 図解よくわかるこれからのマーケティング (DOBOOKS)
    旧版(水色の表紙)は6年間で1万部を販売し、それを機に内容の刷新を図りました。新章「ブランド」「社内マーケティングとマーケティングの実行」なども設け、旧版の70%を加筆修正・新項目の追加などを行っています。本書最新版は発売以来、10ヶ月で既に初版3千部を完売。以降増刷を重ね、約1万部を販売していおり、多くの個人の方、大学や企業研修で「マーケティングのテキスト」としてご愛顧いただいております。

  • 金森努(監修): あのヒット商品はなぜ売れるのか? ─気軽に読むマーケティングのツボ─ (TACビジネススキルBOOK)

    金森努(監修): あのヒット商品はなぜ売れるのか? ─気軽に読むマーケティングのツボ─ (TACビジネススキルBOOK)
    ヒット商品ネタ51連発!このブログ記事のネタを選りすぐってコンパクトで読みやすく図表付きに再編集しました!

  • 金森 努: 「売れない」を「売れる」に変える マケ女<マーケティング女子>の発想法 (DO BOOKS)

    金森 努: 「売れない」を「売れる」に変える マケ女<マーケティング女子>の発想法 (DO BOOKS)
    打倒「もしドラ」!を目論んだ(笑)ストーリー展開のマーケティング本。初心者にもわかりやすいマーケティングの全体像に基づき、実践・実務家も納得のリアリティーにこだわりました!

  • 金山宇伴(著)・金森努(監修) : ペンギンが考える

    金山宇伴(著)・金森努(監修) : ペンギンが考える
    ペンギンの世界を舞台に「考えるとはどういうことか」「論理的思考(ロジカルシンキング)とは何か」を考える、スラスラ読めて身につく本です。初心者の入門書として、一度学んだ人の復習にと活用できます。

  • 金森努: ポーター×コトラー 仕事現場で使えるマーケティングの実践法が2.5時間でわかる本

    金森努: ポーター×コトラー 仕事現場で使えるマーケティングの実践法が2.5時間でわかる本
    マーケティングをストーリーで学び、「知っている」が「使える」になる本。1つ1つのフレームワークが、面白いように「つながっていく」感覚を実感してください!

  • 金森 努: “いま”をつかむマーケティング

    金森 努: “いま”をつかむマーケティング
    7編の取材を含む、2010年のヒット商品など約30事例をフレームワークで切りまくった「マーケティング職人・金森」渾身の1冊。フレームワークを学びたい人にも、フレームワークの具体例を知りたい人にも、朝礼で話せるコネタが欲しい人にも役に立つこと間違いなしです!

  • 長沢 朋哉: 世界一やさしい「思考法」の本―「考える2人」の物語

    長沢 朋哉: 世界一やさしい「思考法」の本―「考える2人」の物語
    「分かるとできるは違う」と言われるが、両者間には距離がある。実業務のどこで使えるのか気づけない。だから使えない。本書はお菓子メーカーのマーケティング部を舞台にした「若者2人の成長物語」を通して、戦略思考、論理思考、クリティカル・シンキングなどの、様々な思考法が展開されていく。ストーリーで「使いどころ」をつかめば、実践できない悩みの解消が図れるだろう。 (★★★★★)

  • ダン アリエリー: 不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」

    ダン アリエリー: 不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」
    フレームワークの「使用上の注意」は、「人の心はフレームワークだけでは切れない」を常に認識することだ。「行動経済学」に注目すれば、経済合理性に背く人の行動の謎の意味が見えてくる。謎の解明を様々なユニークな実験を通して、著者ダン・アリエリー節で語る本書は、「フレームワーク思考」に偏りすぎた人の目から何枚もウロコを落としてくれるはずだ。 (★★★★★)

  • セオドア レビット: レビットのマーケティング思考法―本質・戦略・実践

    セオドア レビット: レビットのマーケティング思考法―本質・戦略・実践
    「顧客はドリルが欲しいのではない、穴が空けたいのだ」や、「マーケティング近視眼(Marketing Myopia)」で有名なレビット教授の名著。製品とは何か。サービスとは何か。顧客とは何か。そして、マーケティングとは何かと問う、今まさに考え直すべき原点が克明に記されている名著。 (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

    フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則
    コトラーはマーケティングは「製品中心(Product out)=1.0」「消費者中心(Customer Centric)=2.0」。それが「人間中心・価値主導(Social)=3.0」にバージョンアップしたと論じている。本書は「マーケティング戦略」の本というよりは、今日の「企業のあるべき姿」を示しているといえる。その意味では、「では、どうするのか?」に関しては、新たなソーシャルメディアの趨勢などに考慮しつつ、従来のコトラー流2.0を十分に理解しておくことが必要だ。 (★★★★)

  • 鈴木 準・金森 努(共著): 広告ビジネス戦略―広告ビジネスの基礎と実践 (広告キャリアアップシリーズ 1)

    鈴木 準・金森 努(共著): 広告ビジネス戦略―広告ビジネスの基礎と実践 (広告キャリアアップシリーズ 1)
    広告に関する本は、いわゆる広告論や広告制作の手法を述べていても、マーケティング理論を前提としたものは少なかったように思います。「マーケティングの中における広告ビジネス」を具体的にまとめました。さらに、当Blogで「勝手分析」した事例を企業取材によって、マーケティングと広告の狙いを検証しました。多くの現役広告人と広告人を目指す人に読んでいただきたいと思います。

  • 金森 努: 図解 よくわかるこれからのマーケティング (なるほど! これでわかった) (DO BOOKS)

    金森 努: 図解 よくわかるこれからのマーケティング (なるほど! これでわかった) (DO BOOKS)
    金森の著書です。フレームワークやキーワードやセオリー、事例をマーケティングマネジメントの流れに沿って102項目で詳説しました。フレームワークの使いこなしと事例には特にこだわりました。金森のオリジナル理論もあり!

  • 山田 英夫: 新版 逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変える

    山田 英夫: 新版 逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変える
    リーダーの戦略や、チャレンジャーがリーダーを倒す方法など、ポーター、コトラーの理論を更に実践的な事例と独自フレームワークで解説した良書。事例がちょっと古いが、今、読み返してもためになる。在庫が少ないので、中古本でも出ていれば即買いをお勧め。 (★★★★)

  • 金森 努: 実例でわかる!差別化マーケティング成功の法則 (ビジマル)

    金森 努: 実例でわかる!差別化マーケティング成功の法則 (ビジマル)
    このBlog記事一話一話が見開きで図解されたわかりやすい本になりました。ヒット商品のヒミツをフレームワークで斬りまくった、ネタ56連発。是非一冊!

  • 後藤 一喜: 費用対効果が見える広告 レスポンス広告のすべて

    後藤 一喜: 費用対効果が見える広告 レスポンス広告のすべて
    「レスポンス広告」とは資料・サンプルの請求や商品の注文を消費者から獲得するための広告のこと。そのための方法論は、ブランドイメージをよくするといった目的とは全く異なる。本書は多数の広告サンプル(精度の高いダミー)を用いてレスポンス広告のキモを具体的かつ詳細に解説している。「レスポンス広告の鬼」たる筆者ならではの渾身の1冊。 (★★★★★)

  • ジョン・P・コッター: カモメになったペンギン

    ジョン・P・コッター: カモメになったペンギン
    どんなすばらしいマーケティングプランも、結局は人が動かなければ成功しない。故に、リーダーシップ論が重要となる。本書はコッター教授の「企業変革8ステップ」が寓話の中でわかりやすく記されている良書である。金森絶賛の一冊です。 (★★★★★)

  • マルコム・グラッドウェル: 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則

    マルコム・グラッドウェル: 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則
    2000年発売の良書。旧タイトル「ティッピング・ポイント」が文庫本化されたもの。クチコミの本ではなく、イノベーションの普及が何かのきっかけで一気に進む様を、各種の事例を元に解明した、普及論にも通じる内容。(うっかりリストに入れ忘れてました)。オススメです。 (★★★★★)

  • 野中 郁次郎: イノベーションの作法―リーダーに学ぶ革新の人間学

    野中 郁次郎: イノベーションの作法―リーダーに学ぶ革新の人間学
    経済分野最強のジャーナリスト勝見 明紙と、経営学の大家野中 郁次郎先生という黄金コンビによる傑作。いくつもの企業でのイノベーション事例を物語風に紹介しながら、その変革の要諦を解明、さらなる提言をメッセージしている。読み応え十分。 (★★★★★)

  • 野中 郁次郎: イノベーションの本質

    野中 郁次郎: イノベーションの本質
    最新刊の「イノベーションの作法」に比べると、少々こちらは「野中理論」の難しい部分が表面に出ているように思えるが、発売当初、ナレッジマネジメントの観点からしか読んでいなかったが、読み返してみれば、本書の1つめの事例である「サントリー・DAKARA」はマーケティングでも有名事例である。むしろ、本書での解説は、マーケティングのフレームワーク上の整合ではなく、そのコンセプト開発に力点が置かれており、その精緻な記述は圧巻であった。読み直して得した気分になったので、ここで併せて紹介する。 (★★★★)

  • グレン・アーバン: アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業

    グレン・アーバン: アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業
    だいぶ発売されてから時間が経ってしまったのですが・・・。 二度目に読んで、「お勧め」しようと思いました。 そのわけは、一度目は「いかに顧客と優良な関係を構築することが重要か」という当たり前なことを力説しているだけの本だと思ったからです。 事実、そうなんです。アドボカシー(advocacy=支援)という新しい言葉を遣っただけで。 ただ、その「当たり前なこと」のまとめ方が秀逸であり、我々マーケターにとっては「当たり前」でも、その考え方がどうしても理解できない石頭な人に読ませると、なかなか効果的だと分かりました。 さて、皆さんもそんな人が周りにいたら読ませてみては? (★★★)

  • レスター・ワンダーマン: ワンダーマンの「売る広告」

    レスター・ワンダーマン: ワンダーマンの「売る広告」
    ダイレクトマーケティングの創始者であり、金森の心の師でもある、レスター・ワンダーマンの「BEING DIRECT」(英文名)が12年ぶりに改訂されました。 詳しくは、Blog本文の10月16日の記事を参照ください。 必読の書です。 前版は電通出版だったので入手が少々面倒でしたが、今回は一般の出版社からの刊行なので、アマゾンで購入できます。この本の画像をクリックすれば、アマゾンのサイトにリンクしますので、是非! (★★★★★)

  • フレドリック・ヘレーン: アイデア・ブック スウェーデン式

    フレドリック・ヘレーン: アイデア・ブック スウェーデン式
    実は、この本は金森の入院中の頂き物。結構はまりました。 スウェーデンの売れっ子セミナー講師が自らのセミナーで用いている30の設問を、気の利いたイラストに載せて紹介している。「レンガの使い方を10通り挙げなさい」のような、「ん?どこかの自己啓発セミナーで聞いたな~」というようなネタもありますが、ひねりの効いた問いかけもいっぱい。ざっと流し読みしたら20分で読み終わってしまう絵本になってしまいますが、本気で問いかけの答えを考えると、なかなか論理思考も鍛えられます。金森もお気に入りの問いかけは出典を明らかにして、自分の企業研修で使わせてもらっています。 ちなみに、この本の2(続編)も出ています。2冊揃えば送料も無料。「あわせて買いたい!」。 (★★★★★)

  • パトリシア ジョーンズ: 世界最強の社訓―ミッション・ステートメントが会社を救う

    パトリシア ジョーンズ: 世界最強の社訓―ミッション・ステートメントが会社を救う
    重要な本をお薦めするのを忘れていました。この本も結構、私の座右の書となっています。「ミッションステートメント」の重要性もコラム等で繰り返し述べてきました。それがしっかりしていないが故に、会社自体が方向性を見失い、社員も求心力をなくす。また、顧客のことも忘れてしまう。ミッションステートメントは壁に黄ばんだ紙に書いてあるものを、朝礼で呪文のように唱和するためのものではないのです。社員全員、全階層がそれを本当に理解し、行動できれば会社に強大なパワーが生まれるはずです。この本は「強い企業の強いステートメント」が紹介・解説された良書です。 (★★★★)

  • エベレット・M.ロジャーズ: イノベーション普及学

    エベレット・M.ロジャーズ: イノベーション普及学
    もはや絶版でプレミアがついて現在ユーズドで3万円!(昨年までは2万円以下でした。定価は8千円弱)。 しかし、一度は翻訳版とはいえ原書を読みたいもの。 私のコラムでもよく取り上げています。 様々なマーケティングの入門書にも部分的に取り上げられていますが、誤った解釈も多く、「イノベーションの普及速度」などの重要項目も抜けています。 ただ、基本的には社会学の学術書なので、完読するのはチトごついかも。(それで星4つ。内容的には断然5つですが。)3万円ですが、手にはいるならラッキー。 10万円にならないうちに・・・? (★★★★)

  • ジャストシステム・エンタープライズソリューション協議会/JECS: 思考停止企業

    ジャストシステム・エンタープライズソリューション協議会/JECS: 思考停止企業
    すみません。これは宣伝です。 Blogにも「共著で実践的なナレッジマネジメントの本を出しました」と紹介いたしましたが、この度第二版(重版)ができました。 初版で終わったしまうことの多いビジネス書において重版はうれしい! まだお読みになっていない方は是非! (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: マーケティング10の大罪

    フィリップ・コトラー: マーケティング10の大罪
    これも分かっている人向き。 コトラーの中では「最も今日的な本」であると言えるでしょう。コトラー大先生と私ごときを並べて語るのは不遜の極みですが、私が旧社電通ワンダーマンのニューズレターや日経BizPlusの連載でしきりに訴えてきた内容が集約されている気がします。うーん、大先生と何か視点が共有できているようで読んでいて嬉しくなってしまった一冊でした。 (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング・コンセプト

    フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング・コンセプト
    今度は分かっている人向け。そういう人はたぶんもう買っていると思いますが・・・。 コトラー特有の大作ではなく、マーケティングの中でも重要なコンセプトを80に集約して解説を加えた、ある意味他のコトラー本の「攻略本」とも言える。 常にデスクサイドに置いておき、用語集として使うもよし、ネタに困ったときにパラパラと眺める「ネタ本」としてもよし。マーケター必携の本であると言えましょう。 (★★★★★)

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December 2005の9件の記事

2005.12.26

ちなみに・・・というか、ご案内。

本日も「お勧め書籍」を左側のフレームにアップしました。
が、先日お会いした方から、「え?本のイメージをクリックするとそのままAmazonで買えるんですか?」と言われショックを受けてしまいました。確かに、案内文や評価(★)など全情報を掲出するスタイルを取っているので、クリックする理由がないですね。
ただ、Amazonとのアフェリエートになっていますので、そのままお買い物ができるようになっています。よろしければご利用ください。金森が読んで面白いと思った本のみ、ご紹介しています。
(サイトナビゲーションが悪かったなーと思っています。・・・紺屋の白袴・・・反省。)

「街角ウォッチングのススメ――年末の風景から見えてくるもの」

NIKKEI NET BizPlusの連載・ニッポン万華鏡(カレイドスコープ) 第12回がアップされました。
BizPlusは今年最後の更新です。


http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/kanamori.cfm?i=20060112c6000c6


内容としては、年末にあまり重い話しも何なので、オムニバススタイルで街角の風景を切り取り、
軽く今年を振り返ってみました。
「タウンウオッチャー金森」の得意とするところです。

3つ目のエピソードはお気づきと思いますが、12月12日にアップした書下ろし”「うつむきがち」でなくなった街の人々?”が本人としては結構気に入っているので、文体を整えて再度取り上げてみました。

1つめの「ウォームビズ」は「何なんだよー」という、偽らざる心情です。日経連載第2回で「クールビズは流行らないし、私はその仕掛けられた流行に乗らない!」と宣言し、おかげで暑い夏を過ごし、第7回で敗北宣言をし、同時に「ウォームビズには乗る!」と記しました。しかし一向に流行りません。空調の設計がおかしいですね。日本のオフィスビルは。「上手な重ね着のファッション」は結構おしゃれだと思うのですが、暑苦しい冬のオフィス空間がそれを許しません。なにかがおかしい・・・。

2つめの「階層二極化」は、三浦展氏の「下流社会」で一躍脚光を浴びましたが、私も以前から注目していました。今回は軽い”さわり”ですが、三浦氏の理論をさらに拡張して、近々きちんと書いてみたいと思います。来年のテーマですね。

それにしても、今年も色々なことがありました。
・・・個人的には15年間のサラリーマン生活に別れを告げて、一念発起、起業したことが最大のできごとでしたが・・・。
また、青学の講師にもなり、初の「学部生」相手の講義を行担当したのも新鮮でした。(来年もやらせていただくことになっています。)
さらに共著ですが「思考停止企業」(お勧め書籍欄に掲出)という書籍も発刊しました。
来年は単著で何か出してみたいと思っています。

と、まあ、来年の抱負まで語ってしまいましたが、本年は起業に際し色々な方にお世話になりました。ありがとうございます。また、このBlogをお読みいただいている方にも厚く御礼申し上げます。

来年もよろしくお願いいたします。


-----------<以下バックナンバー用転載>-----------

いよいよ年の瀬も押し詰まってきた。年末の所用に急ぐ人々や正月の準備で街はあわただしさを増している。そんな年末の街の表情を幾つか切り取って、2005年を少し振り返ってみたい。

■空振りに終わるか?「ウォームビズ

 筆者は本欄の第2回に「クールビズは流行らない!」と宣言。しかし予想外の普及・定着を突きつけられて、第7回で事実上の「敗北宣言」をした。その時には既に、CO2削減のための冬の着こなしコンセプト「ウォームビズ」が打ち出されていた。筆者は冬になると、ツィードのジャケットにオッドベスト(柄違いのベスト)という、ウォームビズのお手本のようなスタイルを10年以上前から愛用している。しかし、同じようなスタイルの人があまり見あたらない。

 クールビズの時は暑さが増すごとに、男たちの襟元からネクタイが消えていった。しかし、12月に入ってから急激に冷え込んだにいもかかわらず、人々のスタイルは例年と何ら変わりがないように見える。

 確かに変に厚着をすると朝の満員列車では大汗をかく。また、集中制御空調システムのオフィスビルでは、環境省が提唱した「適切な室温設定(20℃程度)」に設定すると建物の気密性の高さとパソコンなどOA機器の放熱などで、何もしなくとも20℃を超えてしまい、冷房が働いてしまうとも聞く。事実、筆者自身、以前から着用していたのとは別にニットのベストを新規購入したが、着用していると背中に汗が流れることが多い。そのような現状を見ると「ウォームビズ」はコンセプト倒れに終わるのではないかと考えてしまう。

 そもそも問題点が二つある。一つは前述のオフィスビルの機能・特性などを把握していなかったという事前のリサーチ不足。二つめが「そもそも人々にニーズがなかった」ということだろう。一つめのリサーチ不足も少々お粗末で済むが、二つめの「ニーズ不在」の方が重大な過ちだ。クールビズの時には、「寒い地方を起源とするネクタイを、日本の夏に着用するという無理な慣習から解放されたい」という潜在的な男たちのニーズがあった。それにマッチしたからこそ見事に普及したのだ。

 しかし、満員列車で毎朝汗をかいている人々には、これ以上の厚着をするというニーズがそもそもなかったのだ。なぜ、環境省はそこに気がつかなかったのだろうか。例えて言うなら「こんなすごいものを作ってしまった! 絶対に売れる!」と意気込んだものの、さんざんな結果に終わったプロダクトアウト志向のメーカーのようだ。

 冬が終わるまで結論を出すには早すぎるかもしれない。しかし、ウォームビズの掛け声にもかかわらず、街ゆく人々の姿が変わっていないのは事実だ。

■階層二極化の足音か?「自動車販売の明暗」

 12月17日の日本経済新聞朝刊1面に「トヨタ3年ぶり減益・"軽"との競合激しく」との記事が掲載されていた。「トヨタの苦戦は、より低廉な車種に需要がシフトする国内市場の構造変化を象徴している」と分析されている。一方でトヨタの高級車ブランド「レクサス」は比較的滑り出し好調であるし、輸入車勢も善戦している。低廉車と高級車の二極分化。確かにそうした目で見ると、街ゆくピカピカの新車とおぼしき車はそのどちらかのようだ。

 筆者は米国で似たような光景を目にしている。カリフォルニアで流通業の視察をした際、流行のオーガニック系高級食材店の駐車場には欧州車や米国高級車がずらり。一方、低価格スーパーのウォールマートの前にはボロボロの日本車や低価格な米国車が列をなしていた。しばしば車はその所有者の収入を推察する材料とされるが、まさに収入格差を目の当たりにした気がした。それと同じような姿に日本もなるのだろうか。

 三浦展氏の「下流社会」がベストセラーとなり、階層二極化時代はすぐそこまできていると様々なメディアでも報じられている。そしてその実態は街を走る車の姿からも見て取れるように思える。

■街行く人々はうつむきがちでなくなった?

 土曜日夕暮れ、銀座の街に出かけた時に気づいたエピソードをひとつ。街の人々にちょっとした変化を感じた。いつもはうつむきがちに街を歩く人々の背中がまっすぐ伸びていたり、顔が上を見上げたり・・・。

 その理由はクリスマス前の街の飾りつけだった。いつもは携帯画電話のメールなどをのぞき込みながら歩く人が多いのに、この日はクリスマス・イルミネーションに飾られた街の風景を撮影している人が多かった。その結果、被写体を探そうと視線を正面、もしくはやや上方に向けるなど人々の姿勢が違っていたのだ。色とりどりのイルミネーションの効果だけでなく、街ゆく人の姿勢が違うだけでも随分街が明るく見えるものだと実感した。
 もう一つ気付いたのは、相変わらず片腕を突き出す独特のスタイルで携帯のカメラを使っている人もいるが、デジタルカメラで撮影している人が増えたことだ。ただ、どこかぎこちない操作を見ると「冬のボーナスで買ったな」と推測できるような人もいた。各メディアが報じる「消費にもやっと明るさが見えてきた」風景は、こんな所で実感できた。

 デジタルカメラはここへ来て、売り上げの伸びが低迷している。しかし、価格がさらに下がり、手ぶれ防止やズームなどの機能が一層充実したことで「後期多数採用者層」という腰の重い人々がようやく動き出したのだろう。クリスマスや年始など、撮影機会が多いこの時期、市場のボリュームゾーンが動き出したということは、今年の年末商戦ではデジタルカメラが善戦するかもしれない。

 年末の回顧番組で、世の中の暗い面ばかりを見て悲観していてもしかたがない。たまには街に出て、街と人々を自分の目で観察し、自分なりのニュースを見つけて、それに自分なりの解釈を付け加えることをお勧めしたい。意外と明るい人々の暮らしを発見できたり、これからの世の中の方向性を自分なりに納得できたりすると思う。


2005.12.20

【書下ろし】流行る店・流行らぬ店

 思わぬ程早く仕事の区切りがついた。さりとて、次の膨大な仕事に着手する気力は残っていない。そんな時は、街と人々を眺めに歩きに出るのが正解だ。と、いうわけで、新橋~銀座・有楽町~東京と流してみた。

 忘年会シーズンの夜7時。
 団体はしっかり予約した店に入る頃。少人数のフリーの客をどう取り込むかで、各店の明暗が決する。

 ガラス張りでガラガラな店内を晒している店。これはもう「負け組確定」だ。誰も閑散とした店の最初の一人になりたいと思わないだろう。

 「今からすぐにご案内できます!」と声を枯らす店頭の呼び込み。
しかし、そこは「押せば引く」消費者心理。店に引き込まれはしない。

 少人数の、恐らく事前に忘年会といった計画を立てていたわけではないグループの行動を観てみる。必死の呼び込みを尻目に「じゃぁ、どこ行く?」などの相談が始まる。「○○なら空いてない?」などと口々にし、携帯で何軒か問い合わせ、「空いてるって。行こう」。と、行き先が決まる。つまり、過去に行った経験がある店にリピートしに行くわけだ。

 「年末にすいてる目の前の初めての店」。誰しもその「すいてる理由」を推測するだろう。
美味しくないのか?高いのか?接客が悪いのか?かくして、そうしたリスク要因を回避するため、知っている店に向かうのだ。

 つまり、リピート客を取れずに、その時点でリピート客で席が埋まっておらず「すいてる」という事実が既に「負け」を表している。
 にも関わらず、呼び込みのアピールが「すぐにご案内できます!」では「当店はすいててガラガラです!」と言っているのと同じだ。例えば、「新鮮な鯛が入りました、是非ご賞味ください!」とか「本格的なタイ料理はいかがですか!暖まる料理もありますよ!」など自店の「売り」をアピールすれば、馴染みの店が満員であぶれた客なども呼び込めるだろうが、なぜそこに気付かないのか。
 やはり「負け組の店」は「顧客心理」を読み解く力も低く、だからこそ「負け」なのか。と思い家路についた金森であった。

2005.12.13

「誰がために駅はある?~駅ナカビジネスの隆盛に一言~」

NIKKEI NET BizPlusの連載・ニッポン万華鏡(カレイドスコープ) 第11回がアップされました。

http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/kanamori.cfm?i=20060112c6001c6

以前、皆様にご意見を募集した「駅ナカ・ビジネス」についてです。
いつものごとく(?)、コメントではなくメールにて幾つかご意見をお寄せいただきました。
ご協力いただきました皆様、ありがとうございます。
参考にさせていただきました。

ただ、「西船橋」・・・。ローカルすぎましたね。千葉方面の方が京葉線を使わずに、東京ディズニーリゾートに行くときに乗り換えることなどもあるかと思いますが・・・。
さて、金森の筆致でどこまで駅の状況を想像していただけるか。

-----------<以下バックナンバー用転載>-----------

■駅ナカビジネスの集大成オープン?

 「駅ナカビジネス」は2003年の日経ヒット商品番付で「東の関脇」にランクインして以来、ここ数年隆盛を誇っている。そしてその集大成ともいうべき「エキュート品川」が10月にオープンした。エキュートの名を冠した駅ナカショップは3月オープンの大宮に続いて2店舗目。大宮の店舗面積2300平方メートル・店舗数56店舗に対して、1600平方メートル46店舗と若干小さいが、品川駅駅舎の開放感あふれる構造と相まってなかなかよい雰囲気だ。大宮のストアコンセプトが「マーケット・アベニュー」であるのに対して、品川は「プレミアム・プライベート」。確かに高級感を感じさせる店舗設計とショップのラインナップは一見の価値がある。日本初上陸の店や著名人とのタイアップ店など確かにプレミアム感はある。だが、2500円ものコース料理などはさすがに手が出ず、プレミアム感が先行しすぎている気もする。かつてのホームの立ち食いそばが懐かしく思えてさえくるが、女性層には非常に好評なようだ。

■JR東日本戦略転換の背景とは

 「駅ナカビジネス」の起こりは10年近く前に、阪急電鉄がホームで直営コンビニエンスストアを出店たことから始まったといわれている。関西・私鉄発のビジネスモデルをJRが猛追した格好だ。前述の「エキュート」はJR東日本の100%子会社であるJR東日本ステーションリテイリングによって運営されているが、それまでJRは駅ナカではなく、「シアル横浜」「テルミナ錦糸町」「ルミネ北千住」など改札外の駅ビル開発が中心だった。それが「改札内こそ宝の山」と気づき、一気に駅ナカへと舵を切ったわけだ。エキュートオープン時に、JR東日本ステーションリテイリングの鎌田由美子社長(当時・東日本旅客鉄道事業創造本部資産活用部門課長)は次のようにコメントしている。「街中からの集客は考えていないので、通勤で電車を使わないがエキュートに来店したい方には、入場券を買っていただく」と。その潔いまでの割り切りは「駅ビルから駅ナカ」への転換を如実に物語っていると考えてよいだろう。

■なぜか主張と裏腹な西船橋の駅ナカ

 「街中から集客せず」という主張はある意味非常に好感が持てる。"駅ナカショップ利用のための無料入場券"などを発行しようものなら、駅舎内が混雑して仕方がないだろう。駅はやはり「鉄道利用客」のためのものだからだ。

 しかし、3月にオープンした「ディラ西船橋」(運営はJR東日本ステーションリテイリングではない)などは「駅は誰のためのものなのか」と問いたくなるような設計になっている。千葉県船橋市にある西船橋駅など縁のない読者も多いであろうから、その駅について少々解説する。年間乗降客数49,240,053人(平成15年度)、JR総武線各駅停車・京葉線・武蔵野線、営団東西線、東葉高速鉄道の5路線が乗り入れているターミナル駅だ。また行き先も様々な5路線が乗り入れているため、駅舎の構造もかなり複雑なのが特徴である。そんな駅にできたのが「ディラ西船橋」だ。

 確かにこの駅周辺には大した商業施設もなく、駅周辺人口も非常に多いわけではない。その意味からすると、「街中からの集客」は考えていないのだろう。ターゲットは明らかに多数の乗り換え客である。しかし、その乗り換えが問題なのだ。品川駅などと異なり、駅舎の構造が複雑であり、かつ余り広くはない。そこに18もの店舗を詰め込んでいる(改札外にも3店舗)。きちんとした導線設計などは行ったのであろうが、買い物に興味のない利用客からすれば以前より動きづらくなったような気がしてならない。

 さらに、問題なのは案内板などサインが整備されていないことだ。店舗自体やその看板などが、ホームの行き先表示や乗り換え案内より目立ってしまっている。毎日この駅を利用している乗客ならいざ知らず、たまに利用する乗客などは明らかに混乱してしまう。

■誰がために駅はある?

 駅はやはり「鉄道利用客」のためのものだ。買い物客のものではない。また、全ての鉄道利用客=買い物客になるわけではない。「エキュート」は大宮、品川とオープンし、今後立川にもオープンするそうであるが、その3駅はいずれも大型駅だ。駅ナカは成立するであろう。しかし、前述の西船橋のような複雑で狭小な駅舎はやはり従来型の駅ビル開発の方が向いているのではないか。もしくは紀伊国屋も出店することで話題になっている、東京メトロ表参道駅の開発のように、駅構内ではあるが4~5店舗のみ改札内で、あとは全て改札外というスタイルもあるだろう。

 「エキュート大宮」のオープン時に鎌田社長は「従来は(駅の)コンコースには照明や床など駅として必要な機能があり、店舗は店舗で各自のデザインをしている。エキュート大宮では全体の環境コンセプトの中でトータルコーディネートしている」と述べている。確かに全体最適化がなされなければ、西船橋のような事象が起こってしまうのは明らかだ。

 ディラ西船橋は1月15日から順次ショップが開いていき、3月にフルオープンを迎えた。ということは、1月オープンの時点では3月オープンのエキュート大宮のコンセプトなどは既に固まっていただろう。もしそうであれば、なぜ、鎌田社長の語った本質を西船橋にも取り入れられなかったのだろうか。成功しそうなモデルの表面的な部分だけを見て「これならどこでもできるだろう」と展開したのではないだろうか。今後もJRの駅ナカのリニューアルオープンは目白押しだ。不安がよぎる。

 「本質的な価値」を理解しないまま後続が多数展開すれば、オリジナルのコンセプトはかき消され、同様にネガティブな評価を受けることになる。そして、その市場全体が地盤沈下する。これは駅ナカビジネスだけのことではない。ニュービジネスにおいてはよくある例だと言えよう。今後の駅ナカビジネスの向かう先はまだ見えないが、少なくとも今回取り上げた「エキュート」と「ディラ」の対比は他山の石とすべき事例であろう。


2005.12.12

「うつむきがち」でなくなった街の人々?

ここの所、あまりに悲惨な事件・事故が多かったので、どうも暗い記事をアップしてしまいましたが週明けの今日は軽めのを一発。

土曜日薄暮の頃、銀座の街を歩いてみました。
すると街の人々にちょっとした変化が・・・。
いつもはうつむきがちに街を歩く人々の姿勢がまっすぐだったり、上を見上げたり。

・・・そのわけは、いつもは携帯画面のメールなどをのぞき込見ながら歩く人が多いのに、この日はクリスマスイルミネーションに飾られた街の風景を撮影している人が多く、その結果、撮影対象物にまっすぐ向いたり見上げたりと人々の姿勢が全く違っていたのですね。色とりどりのイルミネーションの効果だけでなく、街ゆく人の姿勢が違うだけでも随分街が明るく見えるものです。

さらに少し気づいたことは、携帯のカメラで撮影している人もいますが、圧倒的にデジカメで撮影している人が増えたことです。ただ、どこかぎこちない操作を見ると「さてはこの冬のボーナスで買ったな」と推測できます。消費にもやっと明るさが見えてきたとの新聞報道もありましたが、その姿はこんな所で実感できたのでした。

まぁ、世の中の暗い面ばかりを見て悲観していてもしかたありませんね。街に出て、街と人々を観察しましょう。明るい人々の暮らしを発見できるyこともあるのです。

2005.12.10

本日12/10の「NIKKEIプラス1」にコメントを掲載いただきました。

日経本誌第二版・「NIKKEIプラス1」の13面「はやりを読む」に金森のコメントが掲載されました。
今回のお題は「ワン・コインライフ 気軽さ、手が出る500円」というものでした。

先日日経の記者の方から、「ワンコインが流行っている現象を取り上げたいが、それを選択する生活者心理を解説して欲しい」と取材を受けた時のコメントです。
もしお手元に日経がありましたら是非ご覧ください。

以下、導入部と金森のコメントを転載します。
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 書籍や音楽ソフトにコンビニエンスストアの弁当、さらにはFMラジオの出演権・・・。五百円玉一枚で得られる商品やサービスが増えている。百円ショップに代表されるワンコイン・ライフになじんだ消費者に、新たな割安感をアピールする消費形態をもたらした。

<本文略・以下金森コメント部分>

衝動買いを促す
 なぜワンコインビジネスが増えているのか。トレンド事情に詳しい金森マーケティング事務所の金森努社長は、その魅力としてまず「本来の価格と中身のギャップからくるインパクト」を挙げる。
 「例えばローソンのごはん亭は、普段から五百円でランチをしているなら『同じ値段なのにこの中身』という驚き、三百円に抑えている人なら『プラス二百円でぜいたく感を味わえた』という驚きがある」と指摘。増えつつあるワンコイン・タクシーでも「一律料金だった初乗り運賃が安くなっている、というサプライズがある」という。
 ではより安い四百九十円や四百八十円ではダメなのだろうか。金森氏は「端数があると逆に消費者は『まだ下げしろがあるのかな』という疑念を抱くワンコインの魅力は、その名の通りの気軽さと納得感にある」と語る。払いきり、釣り銭ナシ、という気軽さが「衝動買いの可能性も高める」と指摘。
 社会の階層化が進むと、下層の消費者ほどより価格に対しシビアになる。「試せる、お得だと思える、気軽に踏み切れる、というポイントが購買行動をより大きく左右する。そのツボを押さえたワンコイン・ビジネスなら、より流行するだろう」と分析する。
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「100円から主役交代?」
 五百円ワンコイン・ビジネスの広がりは、様々なジャンルに登場している追随組からもうかがえる。
<中略>
 先輩格の百円ワンコインビジネスにも変化が出ている。物販だけでな美容院やレジャー施設などのサービス分野にも拡大。「カラオケ十分で百円」といった従量課金制を浸透させている。
 同様に最低単価を五百円に設定すれば、商品やサービスのアイディアはさらに広がるのだろうか。だが、金森氏は「しぼんでいく可能性も否定できない」と付け加える。百円ショップでは競争が激化し、「賢い主婦は、同じ百円でもすぐ壊れる商品や内容量が少なく単価で見ると割高な商品は、敬遠するようになっている」という。

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日経記者殿。きれいにまとめてくださり、ありがとうございました。

2005.12.09

【緊急書き下ろしコラム】「あり得ないことがなぜ起きるのか?」

 昨日のみずほ証券による大量発注ミスは、担当者がジェイコムの株を「61万円以上の値段で1株売りたい」とした顧客の売り注文を、「1円以上で61万株売りたい」と取引システムに入力したことが原因であるという。当然、システムには異常な注文入力に対するアラートを発する機能があり、そのアラートは発せられたにもかかわらず担当者は「見逃した」という。結果としてみずほ証券は300億を超すともいわれる損失を出し、グループ全体から支えてもらわなければならないような事態に陥った。

 担当者の「通常ではあり得ないいような初歩的なミス」でクライシス(存亡に関わる危機)が発生する。みずほ証券だけではなく、今日の日本においてはそのような事故は頻発するようになってしまった。先日あるメーカーの方から「機械の保守作業において電極の+と-を繋ぎ間違えそうになった担当者がおり、大事故が起きかけた」という話を伺った。「普通に考えればあり得ないことなので、研修のプログラムにも組み込めない。『電気には+と-があります』というところから教えなくてはならないのか。しかし、そこまでの低レベルを想定するともはや事故の原因となる要素は無限になり想定不可能だ」。とこぼしていた。
 ベテラン社員が大量定年退職し、その知識や技能が失われるという2007年問題。労働力が減少し、今後は今まで複数人で行っていた業務を、一人が何役もこなさなくてはならないため、トラブルも予想される少子化問題の影響。しかし「普通に考えれば分かるだろう!」という類の事故はそれらと問題の根本を異にする気がする。原因は何か。それは「最低でもこれとこれを確認してから実行しなくてはならない」という、その職に就く者であれば当然の「常識の欠落」である。

 ではなぜ、その「常識」が欠落してしまうのだろうか。それはその職業に対する最低限のモラルが欠落しているからではないか。つまり問題の根本は「モラルハザード」にあると考えられる。「知識や技能」は詰め込んででも教え込むことができる。しかし「モラル」は本人の自覚がなければ、いくら周りで騒ごうとも身に付くものではない。そこに問題の根深さがある。
 「モラルハザード」は目をこらせばいくつもの事故・事件の根本原因となっている。「定刻よりも安全を守ること」が交通事業に就く者の最低限のモラルであるにも拘わらず起きてしまった尼ヶ崎の列車事故。今まさに渦中であるマンションの耐震強度偽装事件も、建造物の安全性を確保することは建設業の最低限のモラルであったはずにもかかわらず、不当なまでの利益を確保するためそのモラルはあっさり破られている。一体、日本の産業界のモラルはどこへ行ってしまったのか。

 しかし、モラルハザードは産業界だけに留まっていない。「人間の生命と尊厳」という最も守るべきものをいともたやすく壊す殺人者たち。金銭がらみや、止むにやまれぬ事情で他人を殺めるのではなく、その対象はいたいけな幼女であったり、自らの子供であったり、親だったりと、通常では考えられない相手であり、その理由も快楽目的や自己中心的な衝動的なものであったりする。

 社会全体が病んでいる。最近はそう考えると、朝、新聞を開くのが恐ろしくなる。社会面に載るような殺人事件や事故も経済面のトラブルも問題の根は繋がっていると考えると、社会全体の病の重さが恐ろしいまでのものであると感じられる。
 今回の証券会社のトラブルから殺人事件までを繋げて考えるのがおかしいのかもしれない。しかし、私にはどうしてもそう感じてならないのだ。この先向かう未来はどうなってしまうのだろうかと。「今日は昨日の続きでも、明日は今日の続きではない」と考えればまだ救われるのだが・・・。 

2005.12.05

「電子ペーパーディスプレー」見てきました

E-Paper
Watchers
以下、asahi.comより。

ポスターを電子仕掛けに JR東京駅で実験開始

 駅ポスターの電子化を目指して、JR東京駅構内で「電子ペーパーディスプレー」の実験が始まった。厚さ最大1センチ、A4サイズの大きさで、白黒表示。電子ペーパーに内蔵された無線LANアンテナで外部から広告などの内容を受信、自動的に書き換えていく。薄型電池で稼働し、紙のように扱えるという。14日まで。

 電子ペーパーを開発した日立では、1年後にはA3サイズ、カラー表示のものを実用化し、ポスターなどの広告や各種案内表示の電子化を進めていく。

・・・すっかりアップするのが遅くなってしまいましたが、当日の夜、東京駅に行ってみてきました。

実物を見ると、以下のイメージのようにコピーした新聞紙を貼り付けたぐらいの鮮度であまり・・・というか、まだほとんど見られるモノではありません。

ただ、数分おきに内容が無線LANで書き換えられていく、その瞬間を目にすると「おっ!」と思いますね。
実用化にはまだまだという感が強いですが、更に注文を付けるとすれば、WEBバナーのローテーションのように切り替わるだけではなく、見た人に何らかの行動を起こさせるか、足跡を残させるかといった工夫が必要だと思います。
携帯連動が一番相性がいいように思うので、QRコードをどの広告にも必ず表示するなどの方法が一番簡単ですね。

そうすると、駅張りポスターもネットの世界のように成果報酬型に変わっていくのでしょうか。
今後の展開が楽しみであります。



2005.12.02

”顧客視点”入門講座:第8回

「販促会議」の1月号が本日発売になりましたので、前号の連載のバックナンバー原稿を掲出します。

”顧客視点”入門講座 第8回:自社の戦力分析を顧客視点で行ってみる

 実は、どこにも明記されていないが当連載は12回シリーズと編集部と一応約束している。つまり、前号より後半戦に入っていたわけだ。ここまでで顧客視点とはどういうことか、それによって自社のビジネスをどう見直すのか。そして、顧客視点で生活者を見直してみるかによって、どうマーケティング戦略に変化が現れるのか、ということことが理解できたであろう。では、後半はいよいよそれらをより実践的に、自社のビジネスを右肩上がりにできる、マーケティングセオリーと共に考えていきたい。もちろん、セオリーといわれているものも、遠慮なく筆者は顧客視点的に少々改造してしまうので、その点はお含み置きいただきたい。

■まずは戦力分析といえば「SWOT」だ
SWOT分析。自社の強み・弱み、おかれた環境の好機、脅威を四象限に区切って分析するあの手法。だれでも一度は実施したことがあるのではないだろうか。しかし、意外と難しくてめんどくさい。なので、めったになかなかやらない。そんなところが現実だ。しかし、ポイントを抑えてやってみれば意外と単純かつ、効果的なのである。

 ただ、このSWOTがうまくいかない場合がある。それは、それぞれの項目を考えるとき、つい、強気になってしまったり弱気になってしまったりする場合と、それ以上に「作り手、売り手の思い」だけで項目を埋めてしまい、「顧客視点」を忘れて完成させてしまうことだ。そんなところに注意をして早速分析方法をおさらいしてみよう。

■SWOTの意味するところを考え直してみよう
 SWOTとは、それぞれS = Strong(強み)、S = Weakness(弱み)、O = Opportunity(機会)、T = Threat(脅威)の頭文字を取ったものである。それらを(図1)のようなチャートに配置する。
・自社が本来持っている強み、例えば製品や販売網、顧客基盤(←忘れないこと!特に一律に捉えず、どの程度のファン層がいるかなどが重要)などの強みで、さらに取り込める事業機会はないか。= Strong。
・自社の不得意とするところ、例えば資本力が弱く新製品開発や流通網の整備が後手に回るメーカーであるが故に、エンドユーザーの声が入ってこない。などの弱みで機会損失をしないためにどうするか= Weakness。
・自社にとって追い風となっている社会環境の変化は何か。例えば、製品単価が割高でも、エコや自然環境保全で勝負しようとしてきたメーカーにとって、LOHAS(Lifestyles of Health and Sustain ability:健康的で環境にやさしいライフスタイル)ブームは大きな脅威である= Opportunity。
・自社にとって都合が悪い社会環境は何か。例えば「選択と集中」によって、大手メーカーにフルラインナップを譲り、スポーツタイプ(高出力・高燃費)の車に絞り込んでってしまた弱小車メーカーにとってのエコやCo2排出問題、前述のLOHASの高まり。加えて原油・ガソリン高。スポーツ社市場そのものの消失の危機・脅威。= Threat。といってぐあいである。

■顧客の声もSWOTチャートに入れてみよう
  上記のSWOTという個別項目以外に、既に述べたように、自社の努力や工夫でコントロール不可能な世間の風潮や既に固定化されてしまっている流通構造などを、「外的要因」として「機会」と「脅威」に分類。どの程度努力を要するはともかくとして、自社内の工夫や努力で変革が可能であるかを「内的要因」として「強み」「弱み」に分類する。これでチャートのできあがりだ。
 さて、チャートを作ってみると、各々のカラムの中に「いかに戦うべきか」が見えてくる。
 どこから書き始めても構わないが、例えば「強み」×「機会」は「積極攻勢戦略」と呼ばれるところで、自社の強みを世間の追い風を受けてどこまで伸ばせるかと考えるところから始めてみる。しかし、顧客視点的に考えれば、その世間の追い風が「一時的なマスの流行」でないかどうか、きちんと見極めないと、後から痛い思いをする。「個」客は囲い込めているのか。一過性の「マス顧客なのか」は見逃したくない。
 次に「弱み」×「機会」は「段階的施策戦略」と呼ばれるところを埋めてみるが、自社の弱みでつかみ損ねている機会を、段階的にどのように防いでいくかを考えるところだ。ここはまさに、顧客視点やCRMで考えれば「顧客の声をきく」以外にはない。顧客は何を欲しているのか。また、現在の商品や売り方にどんな不足感を感じているのか。社内でいくら会議をしていても出てはこない。答えは顧客の声にある。
 次は「脅威」×「強み」は「差別化戦略」と呼ばれているが、いかに自社の強みで脅威を回避するかを考えるところだ。これが克服できれば、同じように悩む他社に対する差別化ができる。例えば、「強みで脅威を克服する」などというと、メーカーなどでは技術陣が頑張ってしまいそうだが、「コアな顧客(ファン)」の声を聴いてみてはどうだろうか。彼らは作る側の人間・売る側の人間よりも客観的に、かつ日々製品に触れ、特に「コアなファン」であれば良いところも、悪いところも知り尽くした上でその製品と接しているのだ。彼らの声を参考にしない手はないだろう。
 最後に、「脅威」×「弱み」である。ここは「専守防衛、または戦略的撤退」といわれ、ほとんどの場合、最悪の事態の回避策を社内では議論することになる。しかし、実はここでも顧客の声をつぶさに拾ってみると、自社で意図していなかった買い方・使い方をしている場合がまれに発見される。そんなときは一気に製品の位置づけを変え、よりその顧客ニーズに合うように仕様も変更し、逆転満塁ホームランが飛び出すこともある。

■「3C分析でさらに検証してみよう」
 さて、前の段階でSWOTチャートが完成したわけだが、同時に3C分析を行うことをお勧めしたい。同じくチャートを書いてみる作業になるが、こちらはさほど複雑ではない。むしろ前述のSWOTの裏付けを考えたり、より客観性をチェックするために有用なものであるといえるだろう。
 3C分析とは競合(Competitor)、自社(Company)、市場(Customer)の頭文字を取ってたわけであり、SWOTと似ている部分も多い。しかし、SWOTはどちらかというと、自社内と自社の顧客にフォーカスしたミクロ的なものになりるのに対し、3Cは競合にもかなり注目し、また、”Customer”といっても、市場全般の顧客に目を向ける”俯瞰した外部環境にフォーカスしたチャート”となるはずだ。
 以下、そのポイントを列挙しよう。
・Competitor =競合となりうる企業を洗い出し、それらの動きを観察し、市場全体の動向を把握する。Competitorといっても伝統的ライバル会社だけではなく、昨今では思いもよらぬ企業がCompetitorになることも少なくないので、できるだけ広い視野で捉えることが必要だ。
・Company =前述のSWOTと比べると、より「自社の思い」や「将来の計画」などを廃して、現在のFACT(事実・現実)を中心に洗い出すことが重要だ。Competitorの思いや将来は洗い出せない。事実レベルの違うものを比較したのでは、正しい分析結果が出てこないからだ。
・Customer = SWOTでは主に「打ち手」を考えるために、どちらかというとファン層やとんがった顧客の意見を取り込んで構成してみた。しかし。CompetitorとCompanyの客観比較と同様に、ここでのCustomerは、ごく平均的でボリュームゾーンの顧客像を思い描いてみるべきである。

 上記のようにSWOTは「熱く」、3Cは「クール」に検証してみることがひとことで言えばポイントになるだろう。冒頭にも記したが、意外と手間のかかる作業であるが、ブレーンストーミング的に少々時間を使ってやってみると、打開策が見えてくるものである。
是非、実施していただきたい。
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