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【マーケティング講座】

お勧めマーケティング関連書籍

  • 金森 努: 3訂版 図解よくわかるこれからのマーケティング(DOBOOKS)
    初めての人から実務者まで、「マーケティングを体系的に理解し、使えるようになること」を目的として刊行した本書は、2016年に「最新版」として第2版が発売されました。 それから6年が経過し、デジタル技術の進化やコロナ禍という大きな出来事もあり、世の中は既に「ニューノーマル」に突入しています。 その時代の変化に合わせて本文内容の改訂、新項目の追加や事例の差し替えなどを大幅に行ないました。
  • 金森 努: 9のフレームワークで理解するマーケティング超入門 (DO BOOKS)

    金森 努: 9のフレームワークで理解するマーケティング超入門 (DO BOOKS)
    「マーケティングって、なんとなく知っている」「マーケティングのフレームワークは、わかっているつもりだけど業務で使いこなせていない」・・・という方は意外と多いのが実情です。 「知っている」「わかっている」と、「使える」の間には、結構大きな溝があるのです。 その溝を、最低限の9つのフレームワークをしっかり理解し、「自分の業務で使いこなせる」ようになることを目指したのがこの書籍です。 前著、「最新版図解よくわかるこれからのマーケティング」は、「教科書」的にマーケティング全体を網羅しているのに対して、こちらの「9のフレームワーク・・・」は、「実務で使いこなすための「マニュアル」です。 もちろん、フレームワークをしっかり理解するための、実事例も豊富に掲載しています。 「よくわかる・・・」同様、多くの企業研修テキストとしてもご採用いただいています。

  • 金森 努: 最新版 図解よくわかるこれからのマーケティング (DOBOOKS)

    金森 努: 最新版 図解よくわかるこれからのマーケティング (DOBOOKS)
    旧版(水色の表紙)は6年間で1万部を販売し、それを機に内容の刷新を図りました。新章「ブランド」「社内マーケティングとマーケティングの実行」なども設け、旧版の70%を加筆修正・新項目の追加などを行っています。本書最新版は発売以来、10ヶ月で既に初版3千部を完売。以降増刷を重ね、約1万部を販売していおり、多くの個人の方、大学や企業研修で「マーケティングのテキスト」としてご愛顧いただいております。

  • 金森努(監修): あのヒット商品はなぜ売れるのか? ─気軽に読むマーケティングのツボ─ (TACビジネススキルBOOK)

    金森努(監修): あのヒット商品はなぜ売れるのか? ─気軽に読むマーケティングのツボ─ (TACビジネススキルBOOK)
    ヒット商品ネタ51連発!このブログ記事のネタを選りすぐってコンパクトで読みやすく図表付きに再編集しました!

  • 金森 努: 「売れない」を「売れる」に変える マケ女<マーケティング女子>の発想法 (DO BOOKS)

    金森 努: 「売れない」を「売れる」に変える マケ女<マーケティング女子>の発想法 (DO BOOKS)
    打倒「もしドラ」!を目論んだ(笑)ストーリー展開のマーケティング本。初心者にもわかりやすいマーケティングの全体像に基づき、実践・実務家も納得のリアリティーにこだわりました!

  • 金山宇伴(著)・金森努(監修) : ペンギンが考える

    金山宇伴(著)・金森努(監修) : ペンギンが考える
    ペンギンの世界を舞台に「考えるとはどういうことか」「論理的思考(ロジカルシンキング)とは何か」を考える、スラスラ読めて身につく本です。初心者の入門書として、一度学んだ人の復習にと活用できます。

  • 金森努: ポーター×コトラー 仕事現場で使えるマーケティングの実践法が2.5時間でわかる本

    金森努: ポーター×コトラー 仕事現場で使えるマーケティングの実践法が2.5時間でわかる本
    マーケティングをストーリーで学び、「知っている」が「使える」になる本。1つ1つのフレームワークが、面白いように「つながっていく」感覚を実感してください!

  • 金森 努: “いま”をつかむマーケティング

    金森 努: “いま”をつかむマーケティング
    7編の取材を含む、2010年のヒット商品など約30事例をフレームワークで切りまくった「マーケティング職人・金森」渾身の1冊。フレームワークを学びたい人にも、フレームワークの具体例を知りたい人にも、朝礼で話せるコネタが欲しい人にも役に立つこと間違いなしです!

  • 長沢 朋哉: 世界一やさしい「思考法」の本―「考える2人」の物語

    長沢 朋哉: 世界一やさしい「思考法」の本―「考える2人」の物語
    「分かるとできるは違う」と言われるが、両者間には距離がある。実業務のどこで使えるのか気づけない。だから使えない。本書はお菓子メーカーのマーケティング部を舞台にした「若者2人の成長物語」を通して、戦略思考、論理思考、クリティカル・シンキングなどの、様々な思考法が展開されていく。ストーリーで「使いどころ」をつかめば、実践できない悩みの解消が図れるだろう。 (★★★★★)

  • ダン アリエリー: 不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」

    ダン アリエリー: 不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」
    フレームワークの「使用上の注意」は、「人の心はフレームワークだけでは切れない」を常に認識することだ。「行動経済学」に注目すれば、経済合理性に背く人の行動の謎の意味が見えてくる。謎の解明を様々なユニークな実験を通して、著者ダン・アリエリー節で語る本書は、「フレームワーク思考」に偏りすぎた人の目から何枚もウロコを落としてくれるはずだ。 (★★★★★)

  • セオドア レビット: レビットのマーケティング思考法―本質・戦略・実践

    セオドア レビット: レビットのマーケティング思考法―本質・戦略・実践
    「顧客はドリルが欲しいのではない、穴が空けたいのだ」や、「マーケティング近視眼(Marketing Myopia)」で有名なレビット教授の名著。製品とは何か。サービスとは何か。顧客とは何か。そして、マーケティングとは何かと問う、今まさに考え直すべき原点が克明に記されている名著。 (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

    フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則
    コトラーはマーケティングは「製品中心(Product out)=1.0」「消費者中心(Customer Centric)=2.0」。それが「人間中心・価値主導(Social)=3.0」にバージョンアップしたと論じている。本書は「マーケティング戦略」の本というよりは、今日の「企業のあるべき姿」を示しているといえる。その意味では、「では、どうするのか?」に関しては、新たなソーシャルメディアの趨勢などに考慮しつつ、従来のコトラー流2.0を十分に理解しておくことが必要だ。 (★★★★)

  • 鈴木 準・金森 努(共著): 広告ビジネス戦略―広告ビジネスの基礎と実践 (広告キャリアアップシリーズ 1)

    鈴木 準・金森 努(共著): 広告ビジネス戦略―広告ビジネスの基礎と実践 (広告キャリアアップシリーズ 1)
    広告に関する本は、いわゆる広告論や広告制作の手法を述べていても、マーケティング理論を前提としたものは少なかったように思います。「マーケティングの中における広告ビジネス」を具体的にまとめました。さらに、当Blogで「勝手分析」した事例を企業取材によって、マーケティングと広告の狙いを検証しました。多くの現役広告人と広告人を目指す人に読んでいただきたいと思います。

  • 金森 努: 図解 よくわかるこれからのマーケティング (なるほど! これでわかった) (DO BOOKS)

    金森 努: 図解 よくわかるこれからのマーケティング (なるほど! これでわかった) (DO BOOKS)
    金森の著書です。フレームワークやキーワードやセオリー、事例をマーケティングマネジメントの流れに沿って102項目で詳説しました。フレームワークの使いこなしと事例には特にこだわりました。金森のオリジナル理論もあり!

  • 山田 英夫: 新版 逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変える

    山田 英夫: 新版 逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変える
    リーダーの戦略や、チャレンジャーがリーダーを倒す方法など、ポーター、コトラーの理論を更に実践的な事例と独自フレームワークで解説した良書。事例がちょっと古いが、今、読み返してもためになる。在庫が少ないので、中古本でも出ていれば即買いをお勧め。 (★★★★)

  • 金森 努: 実例でわかる!差別化マーケティング成功の法則 (ビジマル)

    金森 努: 実例でわかる!差別化マーケティング成功の法則 (ビジマル)
    このBlog記事一話一話が見開きで図解されたわかりやすい本になりました。ヒット商品のヒミツをフレームワークで斬りまくった、ネタ56連発。是非一冊!

  • 後藤 一喜: 費用対効果が見える広告 レスポンス広告のすべて

    後藤 一喜: 費用対効果が見える広告 レスポンス広告のすべて
    「レスポンス広告」とは資料・サンプルの請求や商品の注文を消費者から獲得するための広告のこと。そのための方法論は、ブランドイメージをよくするといった目的とは全く異なる。本書は多数の広告サンプル(精度の高いダミー)を用いてレスポンス広告のキモを具体的かつ詳細に解説している。「レスポンス広告の鬼」たる筆者ならではの渾身の1冊。 (★★★★★)

  • ジョン・P・コッター: カモメになったペンギン

    ジョン・P・コッター: カモメになったペンギン
    どんなすばらしいマーケティングプランも、結局は人が動かなければ成功しない。故に、リーダーシップ論が重要となる。本書はコッター教授の「企業変革8ステップ」が寓話の中でわかりやすく記されている良書である。金森絶賛の一冊です。 (★★★★★)

  • マルコム・グラッドウェル: 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則

    マルコム・グラッドウェル: 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則
    2000年発売の良書。旧タイトル「ティッピング・ポイント」が文庫本化されたもの。クチコミの本ではなく、イノベーションの普及が何かのきっかけで一気に進む様を、各種の事例を元に解明した、普及論にも通じる内容。(うっかりリストに入れ忘れてました)。オススメです。 (★★★★★)

  • 野中 郁次郎: イノベーションの作法―リーダーに学ぶ革新の人間学

    野中 郁次郎: イノベーションの作法―リーダーに学ぶ革新の人間学
    経済分野最強のジャーナリスト勝見 明紙と、経営学の大家野中 郁次郎先生という黄金コンビによる傑作。いくつもの企業でのイノベーション事例を物語風に紹介しながら、その変革の要諦を解明、さらなる提言をメッセージしている。読み応え十分。 (★★★★★)

  • 野中 郁次郎: イノベーションの本質

    野中 郁次郎: イノベーションの本質
    最新刊の「イノベーションの作法」に比べると、少々こちらは「野中理論」の難しい部分が表面に出ているように思えるが、発売当初、ナレッジマネジメントの観点からしか読んでいなかったが、読み返してみれば、本書の1つめの事例である「サントリー・DAKARA」はマーケティングでも有名事例である。むしろ、本書での解説は、マーケティングのフレームワーク上の整合ではなく、そのコンセプト開発に力点が置かれており、その精緻な記述は圧巻であった。読み直して得した気分になったので、ここで併せて紹介する。 (★★★★)

  • グレン・アーバン: アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業

    グレン・アーバン: アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業
    だいぶ発売されてから時間が経ってしまったのですが・・・。 二度目に読んで、「お勧め」しようと思いました。 そのわけは、一度目は「いかに顧客と優良な関係を構築することが重要か」という当たり前なことを力説しているだけの本だと思ったからです。 事実、そうなんです。アドボカシー(advocacy=支援)という新しい言葉を遣っただけで。 ただ、その「当たり前なこと」のまとめ方が秀逸であり、我々マーケターにとっては「当たり前」でも、その考え方がどうしても理解できない石頭な人に読ませると、なかなか効果的だと分かりました。 さて、皆さんもそんな人が周りにいたら読ませてみては? (★★★)

  • レスター・ワンダーマン: ワンダーマンの「売る広告」

    レスター・ワンダーマン: ワンダーマンの「売る広告」
    ダイレクトマーケティングの創始者であり、金森の心の師でもある、レスター・ワンダーマンの「BEING DIRECT」(英文名)が12年ぶりに改訂されました。 詳しくは、Blog本文の10月16日の記事を参照ください。 必読の書です。 前版は電通出版だったので入手が少々面倒でしたが、今回は一般の出版社からの刊行なので、アマゾンで購入できます。この本の画像をクリックすれば、アマゾンのサイトにリンクしますので、是非! (★★★★★)

  • フレドリック・ヘレーン: アイデア・ブック スウェーデン式

    フレドリック・ヘレーン: アイデア・ブック スウェーデン式
    実は、この本は金森の入院中の頂き物。結構はまりました。 スウェーデンの売れっ子セミナー講師が自らのセミナーで用いている30の設問を、気の利いたイラストに載せて紹介している。「レンガの使い方を10通り挙げなさい」のような、「ん?どこかの自己啓発セミナーで聞いたな~」というようなネタもありますが、ひねりの効いた問いかけもいっぱい。ざっと流し読みしたら20分で読み終わってしまう絵本になってしまいますが、本気で問いかけの答えを考えると、なかなか論理思考も鍛えられます。金森もお気に入りの問いかけは出典を明らかにして、自分の企業研修で使わせてもらっています。 ちなみに、この本の2(続編)も出ています。2冊揃えば送料も無料。「あわせて買いたい!」。 (★★★★★)

  • パトリシア ジョーンズ: 世界最強の社訓―ミッション・ステートメントが会社を救う

    パトリシア ジョーンズ: 世界最強の社訓―ミッション・ステートメントが会社を救う
    重要な本をお薦めするのを忘れていました。この本も結構、私の座右の書となっています。「ミッションステートメント」の重要性もコラム等で繰り返し述べてきました。それがしっかりしていないが故に、会社自体が方向性を見失い、社員も求心力をなくす。また、顧客のことも忘れてしまう。ミッションステートメントは壁に黄ばんだ紙に書いてあるものを、朝礼で呪文のように唱和するためのものではないのです。社員全員、全階層がそれを本当に理解し、行動できれば会社に強大なパワーが生まれるはずです。この本は「強い企業の強いステートメント」が紹介・解説された良書です。 (★★★★)

  • エベレット・M.ロジャーズ: イノベーション普及学

    エベレット・M.ロジャーズ: イノベーション普及学
    もはや絶版でプレミアがついて現在ユーズドで3万円!(昨年までは2万円以下でした。定価は8千円弱)。 しかし、一度は翻訳版とはいえ原書を読みたいもの。 私のコラムでもよく取り上げています。 様々なマーケティングの入門書にも部分的に取り上げられていますが、誤った解釈も多く、「イノベーションの普及速度」などの重要項目も抜けています。 ただ、基本的には社会学の学術書なので、完読するのはチトごついかも。(それで星4つ。内容的には断然5つですが。)3万円ですが、手にはいるならラッキー。 10万円にならないうちに・・・? (★★★★)

  • ジャストシステム・エンタープライズソリューション協議会/JECS: 思考停止企業

    ジャストシステム・エンタープライズソリューション協議会/JECS: 思考停止企業
    すみません。これは宣伝です。 Blogにも「共著で実践的なナレッジマネジメントの本を出しました」と紹介いたしましたが、この度第二版(重版)ができました。 初版で終わったしまうことの多いビジネス書において重版はうれしい! まだお読みになっていない方は是非! (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: マーケティング10の大罪

    フィリップ・コトラー: マーケティング10の大罪
    これも分かっている人向き。 コトラーの中では「最も今日的な本」であると言えるでしょう。コトラー大先生と私ごときを並べて語るのは不遜の極みですが、私が旧社電通ワンダーマンのニューズレターや日経BizPlusの連載でしきりに訴えてきた内容が集約されている気がします。うーん、大先生と何か視点が共有できているようで読んでいて嬉しくなってしまった一冊でした。 (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング・コンセプト

    フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング・コンセプト
    今度は分かっている人向け。そういう人はたぶんもう買っていると思いますが・・・。 コトラー特有の大作ではなく、マーケティングの中でも重要なコンセプトを80に集約して解説を加えた、ある意味他のコトラー本の「攻略本」とも言える。 常にデスクサイドに置いておき、用語集として使うもよし、ネタに困ったときにパラパラと眺める「ネタ本」としてもよし。マーケター必携の本であると言えましょう。 (★★★★★)

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2005.07.11

毎日新聞社「週刊エコノミスト」2007年問題特集

先週発売された同誌も、すでに店頭から姿を消しましたので、再掲させていただきます。


毎日新聞社「週刊エコノミスト」2007年問題特集

どのようにして伝承するか?
暗黙知を形式知化して伝承するには、どんな方法があるのだろうか。
ただ、「プロセス」だけでは足りない。魂の伝承も必要なようだ。果たして、できるのだろうか。

「溶接ロボットとラーメン作りで考える2007年問題の解決法」

 「2007年問題」を、単なる〝労働力の減少”という見方でとらえると、その本質を見失う。問題は、団塊の世代が「形にならないノウハウやナレッジ(知見)」を抱えたまま、舞台を降りてしまうことなのだ。特に顕著なのがIT業界である。企業において長年大型汎用機などの基幹系システムを開発・保守してきたのはベテラン社員であり、若い社員はコンピュータのダウンサイジングの流れに乗って汎用機からオープン技術へとシフトしていった。さらに、汎用機を主体としていたシステムエンジニアが数多くリストラされ、人員が補充されなかったことも影響する。そして起こったのがシステム障害である。
 みずほ銀行やUFJ銀行の合併時に発生した顧客口座からの二重引き落としなどに代表される問題は記憶に新しい。原因は諸説あるが、実際のところはシステムの技術面の問題よりも、過去の経緯やいきさつなどから現在に至るまでの業務の流れが把握されていなかったことにあるといわれている。つまり、各電力会社や自治体によって個々に異なる例外処理は、長年保守業務を手がけてきたベテランが関与しなければ仕様漏れが生じ、結果としてシステムに障害を来し、二重請求などの顕在化した事故へとつながるのである。
 つまり、ベテランの頭の中のノウハウやナレッジを、マニュアルといった誰が見てもわかる形あるもの(形式知化という)にせず、混然と彼らの頭の中だけに存在させた(暗黙知という)ことに問題がある。

 銀行トラブルは社会問題化しただけに、あたかも「2007年問題」の中心はIT業界であるがごとくいわれている。しかし、〝暗黙知が形式知化されず、ノウハウを頭の中に抱えたままベテランが引退してしまい、業務に支障
を来す"ことが「2007年問題」の本質であると考えれば、やはりこれは全産業的な問題であることがわかるだろう。

■若年層への伝承
 各企業は手をこまねいているだけではなく、「2007年問題」の対処をしているという話題も、各紙誌で目にするようになった。だが、その内容を見てみると、問題を先送りしているにすぎない対策・施策がほとんどだ。
「60 歳定年を5年間延長」「定年者を好待遇の嘱託社員として再雇用」「退職者を組織化して、何かあった時の〝ホットライン"を設定」などなど。
 定年延長はメーカー系に多く、嘱託としての再雇用はサービス業、ホットラインはやはり万が一の時を考えてかIT系の企業に多い。それは仮に5年間定年延長を行ったとし2007年に起こることを2012年に先送りしているにすぎない。

 暗黙知としてのノウハウを抱えたまま定年を迎える人に、一時的に頼ることは必要だろう。しかし、本質的に大切なことは、5年なら5年、という限られた時間で彼らの頭の中の暗黙的ノウハウを、きちんとした形のある形式知として残し、それを若年層に伝承することである。

 昔から「ノウハウは人につくもの」などといわれ、最終的には教えられるのではなく自ら体得していくしかないという通説がある。しかし、その通説と、伝承を実行する手間を厭うたことが、今日の「2007年問題」を引き起こしているのだ。
 人から人への伝承の最たるものは「徒弟制度」であろう。徒弟制度における弟子入りは、自分の一生をその仕事に捧げることを意味する。また、自らの師匠に認められるまでは、決してその元を離れることはない。ある時は教えられ、ある時技を盗むことによって技術は伝承され、一人前の職人が育てられるのだ。
 しかし、今日のように職業選択の自由が保障され、人材が流動化している時代に、それは成立しない。企業の終身雇用制度は崩壊し、働く側も自らの能力を評価し高いインカムを与えてくれる所へと転職することに躊躇しない。そんな時代に、人から人への伝承、つまり師匠の頭の中の暗黙的ノウハウを、弟子が体験を通じて暗黙的に会得していくことなどは全くのナンセンスである。
 ポイントは、最終的に師匠から弟子に伝承するにしても、その中間段階でマニュアル化などを行い暗黙知を形式知化することなのである。
(コラム「方法論その1:溶接ロボットに学ぶ形式知化」参照)。

◆「方法論その1:溶接ロボットに学ぶ形式知化」
人に依存しなかった技術伝承の顕著な例としては、溶接ロボットに
代表されるだろう。それまで職人芸の領域にあった溶接という技術
を高いレベルで大量に水平展開し、工場の自動ラインに乗せようと
いう試みがなされ、溶接職人の技術をプログラム化し、工業ロボッ
トに組み込んだのである。
1980年にはロボットの出荷が始まったが、その開発の歴史は決し
て平坦なものではなかった。だが、その甲斐あって溶接ロボットは
「徒弟制度」における弟子以上に忠実に、かつ、耐用年数の限界を
過ぎるまで一生涯を溶接業務に捧げ、世界中の工場で今日も静かに
黙々と活躍を続けている。しかし、すべての産業の業務をロボット
に伝承できるほど現代のテクノロジーは発達していないのは明らか
だ。ここで学ぶべきは、溶接の世界においてはロボットに伝承すべ
く「プログラム化」という、職人の暗黙的なノウハウを形式知化し
たことだ。無論、すべての溶接技術がロボットに伝承されているわ
けではなく、非常に汎用的かつ反復的に行われる部分に限定されて
いるのはいうまでもないが、それでも職人のちょっとした加減など
をプログラムで再現できるようにしたのは並大抵の苦労ではなかっ
ただろう。

■ホワイトカラーの技術伝承
 本人も意識していないようなプロセスを表出化させることの難しさという意味では、最も困難なのは、「ホワイトカラーの技術伝承」かもしれない。ホワイトカラーの本分は「自ら考えること」であり、頭脳の働きがサラリーという対価として支払われている。
 個々人の脳神経の働きを伝承することはできない。また、考える作業は無意識下でも行われる。さらに、各企業における複雑化したワークフローも単純に伝承することを妨げる。

 その課題にある手法をもって挑んだ例が米国にある。「シャドウイング」と呼ばれているその事例を紹介しよう。
主人公は米サンフランシスコ市・郡立法管理局の管理委員会書記官である女性担当者だ。米国も、日本より2年ほど遅れて「ベビーブーマー世代の大量定年退職」という問題を抱えている。
 彼女の職場は役所特有の複雑な業務プロセスが渦巻いていた。サンフランシスコ市ほどの巨大組織になると、日々の業務は脈々と行われ、職員の大半は何のためにその業務が行われているのかも分からず、組織は肥大化し、業務も増え続ける。その悪循環をホワイトカラーの技術伝承というテーマとともに解決しようとしたのだ。
 「シャドウイング」のシャドウの意味するところは、伝承すべき担当者に陰のように張り付く人間を指す。その実行チーム、「シャドウチーム」に参画する人間を彼女は市からでなく、外部の様々な機関から募った。なぜ、
内部の人間ではないのかは、「既存の業務が当たり前に見えない、斬新な視点が必要」だと考えたからだ。
 では、シャドウイングとは具体的どのようなものなのか。基本は、シャドウが有用な暗黙知を持っていると思われる担当者に張り付き、その業務を観察して文書化することである。必要に応じて、「今行われた業務は何のためにやっているのか、ポイントは何か、どのようなイレギュラーケースがあるのか」などを業務が行われる都度、詳細に聞き出して文書化するのである。
 ポイントは担当者自身は通常通り業務を行い、シャドウがすべて文書化することにある。いかに業務のプロセスを細分化し、その細分化された各々の業務について、深く聞き出していくことに正否がかかっている。聞かれた本人も無意識に行っている、あるいは慣例的に行われているだけの業務も多く、即答できない場合も多い。その時は聞き方を変え、他の業務との関連性なども考えさせ、答えを引き出していくのだ。当然、アウトプットとしての文書は、本人に無理に作成させ、行間が抜け落ちたものよりも数段詳細で洗練されたものになる。そして、それらを精査し、適正プロセスを定義しマニュアル化する(形式知化しいつでも誰でも使えるように伝承する)ことでシャドウイングは完成するのである。
(コラム「方法論その2:重要なプロセスほど無意識」参照。)

■魂の伝承
 この事例は、ジャストシステムのユーザー会が主催した、「KM World & Internet’s 2004」見学ツアー(カリフォルニア州サンタクララ郡で開催)で聴講した。同行したあるメーカー企業の担当者は、「これぞ伝承の解決法」と帰国後早速、実践に移している。
 ただ、日本で展開する際には、もう一つだけ要点がある。それは米国的な唯物論の見方で「プロセス」にのみ注目しては真の伝承は成し得ない、ということである。
 以前、筆者は、保険会社の営業担当者のプロセス分析を行ったことがある。最上位の年収億単位のトップセールスから最下位の年収3 50万円の担当者まで十数名のセールスプロセスをすべて洗い出した。行ったことはシャドウイングのダイジェスト版のようなもの。そこでわかったのは、最上位でも最下位でも、大まかに見ると同じようなプロセスを踏襲しているということである。そして、各々の担当者は各プロセスを自分では「きちんとやっている」と思っている。
 重要なのは各プロセスの意義を認識させ、どのレベルまで深く、きめ細かく行えばいいかを教育するかであり、マインド面も同時に強化することである。営業担当はホワイトカラーであるが、最終的には自ら切磋琢磨する”営業職人魂”までを身につけなくてはならないのだ。それは、営業職に限ったことではない。つまり、「2007年問題」を回避するためには、問題を先送りし、定年退職者に頼るのではダメなのだ。彼らの頭の中身を形式知化し、それを若年層にプロセスとして伝承し、かつ、暗黙的なマインドまでも教育を通じて彼らの第二のDNAとして刻み込むことまでが必要なのである。

◆「方法論その2:重要なプロセスほど無意識・ラーメン店の例」

年老いたラーメン店の店主が、常連客に店をたたむと打ち明けた。
すると常連客は脱サラし、弟子入りさせてくれるように懇願する。
熱意に負けて弟子入りを許し、修行すること3年。ようやく、師匠
の味に近づくことができた。ただ、何かが違う。調理のプロセスは
完全に師匠のそれを踏襲している。どこが間違っているのか、当の
師匠にさえもわからない。
さらに、師匠の動作をつぶさに観察していた弟子はある時、ハタと
気がついた。彼は師匠と体格が全く異なり、大柄な男だった。その
ため、料理に入れる調味料を器からおたまですくい取る時の、おた
まを差し入れる角度が違っていたのだ。
おたまの中の調味料の量は忠実に再現していたが、器に差し入れる
角度が違っていたために、おたまの裏面に付着する調味料の量に差異
が生じていたのだ。その点まで師匠と同じように再現した時、初めて
師匠の味と寸分の違いもない味が再現することができた。
昔のことなので細部の記憶は曖昧だが、職人芸の伝承と言うと、以前
ドキュメンタリー番組で見た「ラーメン店への脱サラ弟子入り」のこ
とを思い出す。溶接職人のロボットへの技術伝承と同じく、技量の高
い職人ほど重要なプロセスを本人は意識せずに行っている。その点を
いかに洗い出せるかで技術伝承の精度が異なってくる。

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2007年以降、団塊の世代が順次退職していくという、いわゆる「2007年問題」が [Read More]

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